銘銘掃掃(めいめいはくはく)


「関東大震災と密蔵院・・・古書に見る教訓!」


 お早うございます 今日は早朝から お不動様の御縁日という事でお集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 今 寺の記念碑を見てまいりましたが 平成5年10月に四国八十八ヶ所結祈願ということでございまして、あれからもう15年経っておりますけれども、昨日別班が朝4時集合5時出発四国の方へ今年と来年の2回に分けて参っております。
 朝と夕方に必ず連絡が入るようにしておりますが非常に今のところ天候にも恵まれての遍路をつつがなく続けておるということでして 思い出しますが、過去植竹さんが巡礼されて本当に有難かったというお言葉を過去にいただいております。
 そんな気持ちで今回総勢27名お参りさせて頂いておるのかなあと心から感謝をいたしておるところであります。
 ちょうど桜も満開 明日は恒例の武州川口七福神めぐり並びに観桜会ということでこれまたお天気もよろしいということで参加皆様方にもお喜こびいただけるのかなと思っております。
 今日は難しい話は抜きにしまして、実は一週間程前 書庫を整理しておりましたところ大正12年9月1日関東大震災が起った日ということでそれを記念して防災の日というのが毎年9月1日全国規模で行っておりますが、その当時本山に被害届を提出しました時の写しでございまして、震災から一ヶ月半過ぎた10月14日に時の住職私の祖父に当たります宥存(ユウソン)が本山に提出したという今から86年前の記録でございます。
 現在ある建物の内、御本堂 鐘楼堂 山門その三つは関東大震災を経験している建物で、それ以外ははそれ以降の建物であります。 書庫の一番底にあって初めて見まして改めて地震の大きさを感じた訳でございます。 本堂間口10間4尺 奥行き8間4尺 建坪92坪木造瓦葺 今日は皆様のご協力を戴きまして昭和49年50年にかけて 大本堂の改修工事で屋根は銅板葺になっておりますけれども、その建物が4尺以上(約1m20)東側にずれて傾斜し壁は全部崩落、欄間 障子全て破壊し、庫裏(クリ住職の住む居間)は1尺以上傾斜し壁脱落 東西の両翼半壊 縁板陥落 天井一箇所落ちる 玄関間口2間半基礎が外れ破壊 壁・板敷き破壊す 小門・蔵・味噌蔵破壊、被害総額当時のお金で弐千一百弐拾円也と本山に提出届けております。 現在のお金に換算するとどのくらいか判りませんが、当時一般の民家で千円というとすばらしい家が建つということらしいです。その後お檀家皆様のご協力を戴いて現在の密蔵院の景観があるわけでございますが、本山と時の住職 時の寺の役員の方々 檀家の方々 みんなこうして被害を一緒に受けておる訳ですから、その時の苦労というのは並大抵ではなかったのだろうなあとつくづく此の本山提出文章を見るにつけ感じさせて頂いておるわけでありまして、地震の起きないよう願っておるところでございます。
普段 防災意識を持っていても本当に何時来るか判らないのが地震です。火事とか他の人的災害は或る程度自分が注意すれば防げますが 地震を始めとする自然災害はなかなか防ぎようが無く、しかし、災害に対する心構え、準備、訓練を伴うという防災意識は、必要だなあと思っております。当山では井戸を4つ点々と掘ってありまして、職員にも毎年9月1日防災意識を持ってもらうために講演をして頂いたり、避難場所への誘導訓練、或いは消火器の使い方 電気の発電機の備え等 いざの時に井戸の中にポンプを入れて皆様方に水の提供出来るよう そういう準備も少しではありますがして居るところでございます。地揺れで水脈の移動があっても4箇所の井戸のうちどこかに当たればという思いからの気持ちであります。
こういう事態がいつ起こるか判らないというのが地震でありますので、たったこれだけの被害届の当時の書類の中からどれだけの方々がご苦労をなされて、今の密蔵院があるのかという思いに敬意を払わざるを得ないありがたいという気持ちでおります。
たまたま今日はこのような書類が出てまいりまして皆様方にも防災意識を高めていただくためにも、密蔵院の過去にこういう事もあったという歴史の一コマをお話申し上げ、われわれも常在災害対応の精神で対処していく心構えが必要だと心に言い聞かせておるところでございます。今日は法話に替えて密蔵院の歴史の一端を紹介させていただきました。ありがとうございました。

合掌