銘銘掃掃(めいめいはくはく)


「お賽銭を投げ入れる行為について」


お早うございます。今日は春らしい天候に恵まれまして、桜も終り新緑真っ盛りといったそんな風情でございます。
この前の日曜日も400名ちょっとの方々をお招きして、大茶会を本堂すべての部屋を使いましてやらせていただきましたが、皆様方がこの寺に来て喜んでいただけるのは、やはり「いや緑が豊富だね」と一様に云われます。これも安行の里にこの寺があるその恩恵かと感謝してるのでございます。
又世の中不景気という昨今でありますがゴールデンウィークが始まりますと一番ながい方で16日間だそうで、何とも羨ましい気が いたしますが これから行楽地を求めて相当移動があるのかと思います。じつは移動の話も含めまして、会合で川口のリリアにいって参りました。川口・武南の両警察署長の挨拶の中で高齢者の交通安全について十分に注意していただきたいという話でありました。例えば道路を横断するにしても意識は若いつもりでも体がついていけない、車はまだ遠くにあると思い渡っていると歩行が遅いから事故に巻き込まれる。或いは自転車に乗って大丈夫だと思ってもよろけて事故に遭う。この点十分に注意して下さい という話でありました。もう一点は定額給付金ついても振り込み詐欺の問題もあとを絶たない、役所の方から「こうしてください」「手数料5000円払って下さい」と云ったような電話するようなことはことは一切ないので、その様な電話は、振り込め詐欺だと思って十分注意して下さいというお話でありました。

今日は28日の御不動様ご縁日ということで皆様方お忙しい中、こうしてご詠歌の放映をしていただき心から厚く御礼申し上げます。 ご出席の中にお二人ほど 先の四国巡拝成願された方がいらっしゃいますが、その時一番最後の晩にお話をさせていただいた話とダブるかと思いますが、こうして皆様が寺にご参拝をいただくとき御本堂の入り口にお賽銭箱が置いてあります。お不動様の所にも置いてあります。信心厚い皆様方ですからお詣りする時、なんで賽銭を投げるのかなあという疑問がわいてくると思うのであります。普通は、人様にお金をあげる時に投げるのは大変失礼だし、マナー違反になるわけですが、お賽銭に限っては、立って又は座って財布から銭を出し賽銭箱に投げ入れる・・・その様な操作を疑問に思われる方が居られるのではないかと思います。今日はその話をさせていただきます。

賽とは祀りごと、報いる又はサイコロを投げる賽と辞書に書かれております。銭とは畑を耕す農具古くは鋤(スキ)でありまして鋤(スキ)の形の貨幣を作った銭が通貨として用いられたということであります。賽銭というのは金で祀るあるいは報いるサイコロの様に銭を投げるものだったのかなあと考えられる訳であります。
お金については二つの意味があります。一つは経済的な意味と、二つ目は経済外の意味役割があると云われております。経済的とはどういうことかと申しますと皆様方が、なにか買物をするとその対価として銭を払う。これが経済的意味のお金でございます。例えば、私たちも寺から給料をもらう、自分の労力をお金に換えてその仕事に従事するという事でございますから、これも経済的な意味があるのだろうと思います。
もう一つは、マーケットで品物を買ったり、レジャーでお金を払ったその段階で店とのコミニュケーション(縁)は切れてしまう・・・(払わないと問題が生じますが)そこには恩義の感情もない。 そういうように、金には二つのコミニュケーションをカットしてしまう効用の力があるのだと思います。
例えば、交通違反をしまして罰金を払います。払わないと後で裁判所とか面倒になりますが、スピード違反・駐車違反等キップを切られてお金を払ってしまうとそれで帳消しになってしまう。永年働いた会社も退職金をもらうことで、その会社との縁も切れてしまうあるいは夫婦別れも慰謝料というお金、もしくは手切れ金、金の切れ目は縁の切れ目という意味を持つのであります。
いわゆる お金というのは、物をやり取りする経済的な面と、逆にいろいろなコミニケーションの社会的な付き合いもお金で支払う事ですべて無にしてしまうという二つの効果があるのだということであります。
そこで神社 仏閣に限っては何でお金を投げる行為が許されるのかというと、神さま仏さまというのは,もっと大きい巨大な存在であり、自分と対等ではない、むしろ、お賽銭を投げ入れる行為そのものに自分の持ってる心や身体の穢れを祓い浄めていただくということでありまして、これは一人一人の深い願望、民俗学的な捉え方でありますが、浄財という言葉或いは喜んで捨てる喜捨、即ちお布施というのは浄財を喜んで捨てて いただくという事でございまして、浄財の浄はもともときれいなお金であり、お賽銭箱に投げ入れる行為のうちに効用があるのだと言えるのではないかと 思います。どうぞ、神社仏閣にお詣りに行かれましたら、たっぷりと撒いて頂いて(笑)自分を祓い浄めるのだと・・・遠慮なく(笑)投げ入れて いただけたらよろしいかと思います。本日も、ありがとうございました。

合掌