銘銘掃掃(めいめいはくはく)


「現代社会の性差別について」


今日はあいにくの天気で久し振りの雨とはいえ 樹木も青々と気持ちのいい時節を迎えております。当山も一番樹木が生い繁る緑の豊富さに有難さを感ずるところでありますが、今日は平年よりも6〜7℃低い気温で皆様一枚重ね着でお越しいただいておる様でございます。どうぞ十分にお体の方御自愛戴き御精進いただければと思うしだいであります。

 真言宗智山派の本山から冊子が送られて参りまして、その中に現代の性差別の諸問題について書かれておりました。皆さんは、性差別と云う言葉にはどのようにお取りになるのでしょうか。 この冊子の中に書いてあることは、世の中に性別的には男と女の区別はあるわけで、また別の意味では同性愛というような男と男、女と女同士の場合もあり、一口に固定観念だけでは片づけられない、性差別の時代に来ているとご理解戴ける一つの材料になるのかなあと思います。
 この冊子の一番判りやすい説明書きに依りますと、2005年の政府統計で、男女の賃金格差が判りやすく表現されております。例えば男性を100とすると女性の場合は67.1%だということであります。男性の10万円に対して女性は6万7千百円しか貰えない。非パートさん・派遣社員の労働賃金は男性の50%しかない・・・男の半分しか貰えないという差別があるということであります。 国会議員の女性の占める割合は定数の衆・参両院合せて10%しかいないということで・・・男性10人に1人の女性議員であります。民間企業の管理職の場合は7%しか女性は管理職としての地位についていないという。全国各自治体の役所の課長職以上の女性の割合は僅かに3%だといわれておりますから、男性100人の課長職以上に対し僅かに3人だけという厳しい格差がある訳でございます。正に男性天国ということでありますね。学校教育の場におきましても大学を例にとりますと、女性の大学教授の占める割合は10%弱と云われて、女性の置かれている教授としての資格立場は非常に低いということであります。逆に職階級的な助教師、或いは講師といった類は、女性でも24%と高くここにも男女の差異があるわけであります。職階の高い教授、社長、専務、部長と一般的に考えられる職階の割合は女性の方が圧倒的に低く不利ということであります。今は昔と違い頭脳はむしろ女性のほうが良いと言うぐらい頑張っておられる訳であります。しかし、社会一般的には、賃金の面、職階の面で低い位置に置かれている・・・これでいいのですか?という問題を投げかけているのがこの冊子であります。
 日常生活の炊事、洗濯、掃除、その他の雑用、学校のPTAの役員はほとんどが女性、或いは老々介護とか長寿社会に於ける介護問題に対しても、約9割の方は女性が無報酬でお世話しているという現実であります。これらの面倒は夫婦又は若者も力を合せて見るのが良いとされていますが、しかし現実は家庭内の介護は非常に難しい社会情勢であるわけであります。行政、国の取り組みがどのように発展し進展していくのかを興味と注意を持って我々も見守っていかなければならないと思います。
 差別というのは、男女の差別だけではなく、生活していく上の習慣とか文化によって色々な差別或いは区別として作りだされているもう一つの視点で見ることができますね。皆様方の朝ごはんはどなたがお作りになっているのでしょうか?食事の支度、掃除、洗濯は女房(女)のやる仕事だと頭から決め付けてしまうというのも、本来からすれば差別に当たるという事ですね。フロに入るにしても、昔ほど色濃く残ってはいないけれども、男子優先の男尊女卑的な考えがあるんではなかろうかなと思うのであります。女らしく、女だからとか、男らしく、男だからという固定観念で仕事を括ってしまうというのも差別であり、会話にしても女性らしいしゃべり方を、男らしく強いしゃべり方をというのも固定観念だとこの冊子では教えを戴いております。
 こうした男女のアンバランス、男性中心的な差別というのも、日本の国内にあるということを我々も認識して、男性もこれを是正していき、女性も更に声を大にしてこの社会に訴えていくことで男女均衡が保たれる。民主主義的な社会に日本もなって行かなければならないと考えるわけであります。この冊子はまだまだ日本の女性の尊厳は、まだまだ十分に認めてられてはいないんだという事を我々に教えてくれているのだなと思う次第であります。長い歴史の中から培われてきたが、近代化に向けて改善すべき点、資質があるということをご理解いただき、男女同権というものをしっかり考えて、強いものに弱いものが虐げられる・・・その様な社会をなくそうということであります。セクシャル・ハラスメントというのも一般的には男女の性差別的行為であり、我々は大きく目を開いてより良い社会ののために研鑽し努力していかなければいけないんだと考える訳であります。本日は差別とということでお話をさせていただきました。ありがとうございました。

合掌