銘銘掃掃(めいめいはくはく)


「念珠〈数珠〉について」


今日は念珠〈数珠〉についてお話したいと思います。
皆様方もお念珠をお持ちいただいていると思いますが、念珠にも色々な種類で作られて おります。
私が今持っているのは白檀(インド産の香木)であります。他にも黒檀や金銀・瑠璃(るり)・玻璃〈はり)・??〔しゃこ)・琥珀(こはく)・ 珊瑚 昔から七宝といわれている念珠、他にも木で作っているものもたくさんありますが、その念珠についてのル一ツは余りはっきりとしていないのです。
お釈迦様の在所の頃には仏教の中には念珠というのはなかったのだろうというのが学説の一つであります。と申しますのは西暦2世紀頃にインドの北西で発掘された彫刻の中に、仏教より古いバラモン教の聖者の首にかけておるレリ−フが発掘されたのであります。
発掘から推測して後の仏教の中にも取り入れられるようになったのだろうと考えられるのでありますが、最初のバラモンの数珠の数は52個といわれており、おそらく物を数える道具か何かに使われたのであろうかと推測の粋をでないところであります。
しかしお経を見ますと、お釈迦様の霊鷲山(りょうじゅせん)でお説教された小高い山の上で、バイシャリ−という古代国王が自分の国民に解脱させる覚りを拓かせる為にお釈迦様に従者を出して聞きに行かせたのであります。
お釈迦様いわく「むくろ樹の実を、108の数珠に糸で繋ぎ、仏・法・僧の三法を普段にあやつり唱えれば、命寿天に召されるであろう」と経典にあり、人間の煩悩は108あるというのは2世紀頃に考えられた学説でありますから、数をかずえるとおなじように煩悩を一つづつ消して行く自覚を持ちなさいと云う教え方をいたしておりますので、どうもルーツはそんなバラモン教の物を数える道具を仏教でも取り入れてそして今日に至っているようであります。
インド・タイ・スリランカの仏教国に参りますとおみやげとして売られておりまして質素な糸で結ばれただけの簡素なものを日本の数珠屋にて装飾され房のついた日本風の今日のお数珠を我々はもっておるのであります。

念珠功徳経の中には色んな材料の念珠の中に鉄の念珠があるといわれておりまして、一粒つまむと5倍の福徳があるとされ、赤銅の念珠は10倍、真珠・珊瑚は100倍、むくろ珠は1000倍、蓮子珠は1万倍、帝釈青磁は百万倍、金剛珠は百億倍、水晶珠は千億倍、菩提珠は無限数倍の一粒一粒に福徳がありますよと経典の中には説かれておるのであります。このように念j珠には色々な念珠があるということでございまして、福徳も違ってくるとその様にいわれておるのであります。

キリスト教では十字を架けたロザリオというのがありますが、あれも念珠の一端といわれており十字軍が世界を征服して行くとき、中近東やインド仏教の文化と出逢えて、それがロザリオという十字架を架けるいわれだというのであります。
自分の煩悩を自覚して一つ一つ消してゆく努力が肝要なんですよ ということが、この念珠に込められていると思うのであります。

合掌