銘銘掃掃(めいめいはくはく)


「お経の読み方(口読、心読、身読)」


 おはようございます。今日は2月28日。2月も今日で終わり 明日から3月という事で、都々逸のお話に「梅は咲いたが さくらはまだかいな・・・」というそんな風情の境内であります。現在は梅が満開で、桜もちらほらと枝先に何輪か咲きはじめておりますが、あと10日もすると半開の桜が見られるのかなと期待しているところです。
 そんな事をのんびり言っていられるのもお寺の中だけでありますが、今も新聞・テレビで報じられておりますが中南米の方で大きな地震がありました。
ハイチが大きなダメージを受けて20数万人の死者と30万人以上の方が怪我をされているそんな記事でありますが、それに引き続いて今度は南米のチリでも大きな地震が起きてしまいました。
 マグニチュード8以上の巨大地震は近年で8つも起きております。
 今から16年前、皆様ご記憶のスマトラ沖地震では28万人の死傷者を出し、そして今回のハイチ、チリの大地震であります。
 ネットで調べたのでありますが、1923年(大正12年9月1日午前11時58分)には日本でマグニチュード7.9の関東大震災が発生し、祖母から当時の話を聞いていた記憶がございます。
 また阪神大震災の記憶も新しく、今回のチリ地震というのは規模において阪神地震の300倍のエネルギーに及んだということであります。
 津波が日本に押し寄せるという事で、終日津波情報が報道されていました。
 このように天災は忘れた頃にやって来る。学校や病院に置いても地震対策として最新の補強工事をされているようですが、まだまだ万全ではない日本の現状なのが現実です。私も部屋の家具類には、日頃から補強を心掛けているところです。
 この寺では、毎年、除夜の鐘を撞いておりますが、チャリテイーという形で募金箱を置き、寺の総代会や密門会の方々のご奉仕をいただいて義援金を集め、今回そのすべてを日本赤十字社を通じて密門会の名で募金をご寄付させて戴いたところであります。
 今も事務所で話してたのでありますが、一辺に義援金を出してしまうと今回のような別の地震災害が起きたときが大変だ(笑)ということで、今後一件につきいくらというふうにご奉仕活動をしようかと話しておるところでありました。

 さて、今日は先程御詠歌を奉詠され、又、般若心経の読誦をいただいた所でありますが、そのお経の読み方に三通りあるということについてお話してみたいと思います。
 普通、口で声に出して読誦されることを<口読> と申します。 経文は必ず手に持って、一字一句間違いのないように読むことが口読でありますが、経文の意味はというと中々理解できないというのが大方ではなかろうかと思われます。
経文に書いてある文語は、仏の教えを読み、自分の口で唱え、自分の耳で聞く、それが口読の意味であります。慣れてきますとついつい経文を読まないで暗記に頼って読んでしまいがちになります。それは本当の読み方ではなく、常に一字一句、仏の「コトバ」の意味が、判ろうと判るまいと字を追って声に出して、自分の声が仏の声と一体になる、そういう読み方をしなさいということであります。
字句に慣れてきますと時々空まわりしてしまったり、同じところを或いは飛んでしまったり、それは十分慎まなければいけないと私たちもお師匠さんにいわれて来たのであります。
 次に<心読>であります。心で読む。仏の意味、内容をしっかり勉強し理解して読んでいくうちに、仏のより深い教えに触れていくというのが心読であり、更に理解するだけでなく、仏の意味内容の知恵を心でしっかり修得して、その教えを身をもって他の人にとお伝えしていく・・・そういう身を挺した動きこそが<身読>であります。
この度の地震で被災された方々は可哀想に・・・というだけではそこで終ってしまうので、可哀想に・・・と思った心を如何に被災された方々に伝える事ができるか、自分に何ができるか、中々我々が現地に行ってお手伝いするというのは難しいのですけれども、そういう意味で自分にできることを何らかの形 で相手に伝える努力をする、そこまでいかなければ本当のお経を読んだということにはならないのではないかということです。
お金や物質だけがお布施ではなく、たとえなにも施す物が無くても、その身を挺してということは、気持ちで対相手に接する、困った人があれば身を挺して言施という布施もあるし、笑顔で相手の心をやわらげ幸せにしてあげるのも布施のひとつであります。自分一人でも出来る事はたくさんある訳であります。
最初から大上段に構えて無理をしますと長続きがしません。一つ一つ出来るところから人様の為に施す事によって。自分の心の豊かさ或いはゆとりというものも利益として還ってくるというのでございます。
そういう意味で仏の心を修得しつつ日々生活をお過ごし戴きたいと思うしだいであります。
 境内は梅の花が満開、まもなく桜の花も咲き乱れることでしょう。春夏秋冬の有難さを十分に味わっていただいてお帰りいただきたいと思います。本日もありがとうございました。

合掌