一休入魂

2013年12月

第29回:鎮魂


 去る平成25年11月13日、宮城県東松島市野蒜海岸にて厳かに東日本大震災慰霊法要が執り行われました。 全国の真言宗青年僧侶が一同に集まり、300名を超える青年僧侶にての、深い鎮魂の祈りを奉げてまいりました。
 この野蒜地区は1,000軒を超える住宅があったそうですが、津波により多くの人命と共に家屋が流され、現在では基礎のみを残す閑散とした無人地区となってしまいました。 この慰霊法要に先立って行われた下見などで、地元の方から当時のお話をお聞きする機会がございました。まさに筆舌に尽くしがたい光景を目撃された方々のお話は2年という時間の経過をもってしても尚、鮮明な光景として、被災時の状況をなんとか多くの方に伝えようと涙と共にお話しをいただきました。 話をお聞きしながら思わず涙がこぼれ落ち、この光景を目撃された方は一生忘れることができないのだろうと胸が締め付けられ思いでした。
 この慰霊法要開催に際し、地元業者の方々に設営等お願いをさせていただくことがありましたが、多くの方々が無償にてご協力をいただきましたこと大変感激しております。この地で亡くなった多くの御霊が安らかになるのであれば、お金なんかいらないからしっかりとご供養して欲しいとのお気持ちからでした。 本当に有り難く思います。
 当日は前日より真冬の気圧配置になり、冷え込みが厳しいと予報されておりましたが、穏やかな天候に恵まれ、心静かに祈りを奉げることができました。
 穏やかな海を前にしての法要でしたが、時に荒れ狂い、人命までも奪ってしまう自然の力に畏敬の念を覚え、また、多くの恵みをもたらす海に相対することで、人間として僧侶として、多くを考えさせられる時間でもございました。
 まだまだ、復興の道険しき中ではございますが、今後も鎮魂・復興の祈りを奉げてまいりたいと思います。

合掌