一休入魂

2006年秋

第1回:プールの金具


 残暑が続いておりますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?先日ニュースでプールの排水溝に子供が吸い込まれ亡くなるという悲しい事故がありました。ご両親の心境を思うと言葉もでません。心からご冥福をお祈りします。
事故には必ず原因があります。この事故の直接の原因は排水溝の金具が外れていたそうです。人為的ミスで起こった事故だそうです。しかし、果たして排水溝の金具が外れていたことが本当の原因でしょうか?この事件の後、全国のプールを対象に排水溝の金具の安全検査が行われ、多くのプールが補修工事を必要と診断され、今では大部分のプールが補修を終えています。どう思いますか?事故前全国的にこのような多くの危険があったということです。
 昔からプールの事故、水の事故はあります。足がつってしまい溺れるケース、急に水に入ってしまって心臓が停止するケース。子供から目を離した隙に子供が溺れるケース。昔から減っていません。なぜでしょう?それは心の魔(間)によるものではないでしょうか?魔が差すと云いますが、心の隙間に潜んでいる油断という魔物です。足がつらないように準備運動をしっかりする、体がビックリしないように徐々に水に入る、子供は予測不能な動きをするので細心の注意をする。いくらでも用心することで事故を未然に防ぐことができるはずです。「俺に限って平気だ」、「私に限って大丈夫よ」などといった心の魔(油断)が悲しい、取り返しのつかない事故を生むのです。前記のプール管理者も「少しの間なら平気だ」という思い込みのまま営業をしてしまい、ほんの数十分の間(魔)によって悲しい事故が起きてしまったのです。
 プールの排水溝金具が補強され、これからは吸い込まれるという事故は減ると思います。しかし、まだまだ水難事故はつづくと思います。それは心の魔、油断を取り除かなければ無くなることはないのです。係員の指示に従い、また、その係員も正しい指示を出す。そんな心構えをみんなが共有することで悲しい事故は減っていくのではないでしょうか。事故は一人の責任ではなく多くの魔が重なって悲しい事故になってしまうのです。心の魔はプールに限ったことではなく、車の運転、仕事、旅行や遊び、そして日常生活すべてにも言えることではないでしょうか。「小さな油断が大きな悲しみを招く」、それが今回の悲しい事故の教訓だと私は感じます。
 もう夏も終わりますが、秋から冬にかけて今度は山での事故が多くなると予想されます。お出かけの際は準備を充分にしてお出かけください。

合掌