一休入魂

2012年06月

第24回:Identity(アイデンティティ)


 初夏を向かえ、深緑の青さが太陽の光に照らされて一層の青さをきわだたせておりますこの頃、生命の力強さを感じずにはいられない清々しい季節がやってまいりました。
 私は今、真言宗智山派に属す青年会組織「智山青年連合会」にて事務局長を拝命しております。全国3千ヶ寺の青年僧の中央組織になります。
 先日連合会にて新会長が任命され新たな役員体制にて始動しています。 今回はその新会長が所信表明の中にとても良いお言葉があったのでご紹介いたします。
  「ぶらず、らしく」 大変シンプルな言葉です。 「親ぶらず、親らしく」「坊さんぶらず、坊さんらしく」「偉ぶらず、自分らしく」・・・単純かつ明快。 しかし、とっても深く実現するには難しい言葉かもしれません。
  私は僧侶の職についておりますが、やはり自分でも皆さまからの視線を気にして、僧侶としての自分を作り上げてしまうことが多々あります。 それは葬儀や法事の際に多くの檀信徒の前に立ちお説法をする時、「立派に思われたい」「いい話を聞いたと言ってもらいたい」「副住職として認めてもらいたい」など少し背伸びをしてしまいます。 その背伸びが向上心となり良い方へ向かう時もありますが、あまり背伸びしすぎると自分を見失い、支離滅裂、有言不実行などあまり良い結果生まないこともあります。 そうなると自分らしさというものはどこにも無くなってしまい、ただの見栄っ張りさんになってしまいます。
 「坊さんぶらず、坊さんらしく」 小難しい言葉で取り繕って身を飾るより、一生懸命念仏し、精進する姿を皆さまにお見せするのも青年僧侶の姿であるのかな。 良く知りもしないものや経験もないのに口先だけで語るのではなく、お釈迦さまが説かれた言葉をまず皆さまに解り易くお伝えする為に勉強する姿が、今、私にできることであるのかな。と自分に甘いかもしれませんがそのように思っております。
 自分らしさ、自分らしく生きる為にはまず自分を知ることが大切です。 普段の生活では忙しさの為、自分を見つめる機会が少ないと思います。 しかし、朝お仏壇に手を合わせる時、節目やお盆に先祖のお墓参りをする時などに少し自分を振返ってみませんか。 仏さまのお力も加わってきっと自分らしさを再認識できるかもしれませんよ。

合掌