一休入魂

2012年12月

第25回:Chaos


 師走の候、寒さが日増しに厳しくなってまいりました。 皆さまは越年に向けてお忙しい頃だと思いますが、そんな中、いよいよ衆議院選挙が開催されます。
 今回の選挙では過去最高の立候補者数と多くの政党が立ち上がり、東日本大震災以降の日本の行く末を占う大事な選挙となりました。
 しかしながら、立候補者や政党の数が増えるにつれて、我々有権者には大変分りづらい、選びづらい選挙となったことは言うまでもありません。 本来ですと、エネルギー問題やTPP交渉についてなど、日本の行く末を決定する大事な時期にも関わらず、決定権を持つ政治家ですら互いに話がまとまらず、まさに「船頭多くして船山に登る」ましてや素人である有権者には甲乙つけ難い、しかし生活に直接結びつく、言い換えれば一歩間違えると大変危険な選挙となってきました。
 昔から「三人よれば文殊の智慧」と言われるように、一人の物の見方より複数の見方で多角的に物事を判断する方が良いと諺にもあるぐらいです。 仏教の世界(真言宗)では曼荼羅という宇宙を表す無数の仏さまが描かれている仏画がございます。 これは本尊大日如来さまを中心とし、すべての仏さまがすべての人々(十方三世)を利益する象徴でもございます。 人々の求めるものはその人によって違います、大日如来さまはそのすべての人々に分るように、すべての人々を利益するために無数の仏となって現れる、それが曼荼羅の世界です。
 しかしながら、現在の日本では本当に国家、国民のことを考えている政治家がいらっしゃるのでしょうか? 福島の故郷に未だ帰ることのできない多くの人たちがいます。津波で高台へ移転しなければならないのに、その費用が捻出できない人たちがいます。 1年後、5年後の生活が見えない人たちがたくさんいます。どうか、船頭多くして云々ではなく、文殊の智慧、観音の慈悲となるよう、 我々の声の代弁者、代議士であるように、曼荼羅のように互いに協力し合い、遍く照らすことができるように、そんなリーダーが現れることが望まれます。
 本来僧侶がこのような話題に口を挟むのは好ましくありませんが、あまりにも混沌とし、多くの方が不安を抱いています。政治家に多くを望むことも良いですが、有権者である我々も、我欲の為ではなく子供、孫の笑顔を考えて選択をしてみてはいかがでしょうか?
  最後に、みなさん選挙へ行きましょう。私たちの義務です。

合掌