一休入魂

2013年5月

第27回:父母の恩 


 新緑が青々と生い茂る、生命の息吹を感じる爽やかな五月晴れが続いておりますが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?この5月というのは四季の移り変わりの中でも特に生命の力強さを感じる季節です。
 さて、皆さまのご記憶にも新しいと思いますが、去る3月2日北海道にて大寒波が襲来し、ホワイトアウトといわれる、猛吹雪によって前後左右の方向感覚が失われてしまうという現象が発生し、9名もの尊い人命が失われた悲しい事故がございました。
 その中でもある父娘の話が連日ニュースでも報道されておりました。 それは、娘を迎えにいった帰り道、ホワイトアウトによって道を見失ってしまい、路肩の吹き溜まりに車を突っ込んでしまい、身動きが取れなくなった車のガソリンが少なくなる中、近くの知人を訪ねて助けてもらおうと外に出た際に起こった悲劇でした。 猛吹雪の中9歳の娘を守る為に自分の着ていたジャンパーを娘にかけ、娘を寒さから守るためにきつくその手で抱きしめた姿で命を亡くした父、そして、それによって一命を取り留めた娘。 娘の母は2年前に病死をしているそうです。 本当に悲劇としか言い表せないような事故でした。
 しかしながら、この父親の行動に感銘を受けた人々も多いのではないでしょうか。 自らの命を呈して子の命を守る。 まさに親の愛情の深さを表しているのではないでしょうか。
 昨今、親子の間での事件が多発する悲しい時代にあって、今回の事故は大変心温まる話であり、色々と考えさせられたお話でした。
 我々は親の愛によって育てられます。 しかし、世間の忙しさ、また親の心子知らずというように、日々その有難さを忘れていませんか。 私たちが大きくなる為には、父親は複雑な人間関係に身を沈め、沢山の責任を両肩に背負って日々仕事をしています。 母親は子の成長を考えた食事を作ってくれます、いざ我が子が病にかかれば夜を徹して看病してくれています。 いつの時代であっても子を思う親心というのは不変なのではないでしょうか。 我々の命はこうして昔から脈々と繋がってきております。
 皆さま、日々の感謝を言葉、態度や行動で表していますか。 お母さんに我儘を言っていませんか。 お父さんとちゃんと毎日会話していますか。 いつ親が先立つかもわかりませんよ、失ってからあの時に伝えておけば良かったでは遅すぎます。 どうか日々の感謝をわすれず、またご先祖さまへの感謝もお忘れなきようお願いいたします。

合掌