一休入魂

2013年10月

第28回:月の十徳


 去る9月19日は、旧暦でいうところの15夜(8月15日)ということで、お月見をされた方も沢山いらっしゃったと思います。 また、当日は見事な満月であり、天候も快晴でしたので本当に綺麗なお月様を望むことができました。 次回の満月での15夜は8年後、オリンピック開催の年になるそうです。
 さて、我々日本人は中国より由来するお月見という行為を、古くは平安時代のころより観月会といった宴の形で行ってきました。 また、我々真言宗の興教大師 覚ばん上人(コウギョウダイシ カクバンショウニン)も、月の姿を我々の心の在り様と捉えて、このような言葉を残されております。
  月の十徳
 一、円満  月の円満なるが如く、自心も欠くることなし。
   心が丸く満ように、心も常に円満であるよに(角がなく満たされる)
 二、潔白  月の潔白なるが如く、自心も白法なり。
   月の白さのように、心も常に染まることの無いように
 三、清浄  月の清浄なるが如く、自心も無垢なり。
   月が清らかであるように、心も常に清らかであるように
 四、清涼  月の清涼なるが如く、自心も熱を離れたり。
   月が涼しげであるように、心も常に冷静であるように
 五、明照  月の明照なるが如く、自心も照朗なり。
   月の光が遍く照らすように、心も常に朗らかであるように
 六、独尊  月の独一なるが如く、自心も独尊なり。
   月が唯一無二であるように、我々も一人一人も無二である
 七、中道  月の中に処するが如く、自心も辺を離れたり。
   月の光が分け隔て無いように、心も常に片寄が無いように
 八、速疾  月の遅からざるが如く、自心も速疾なり。 
   月が常に姿を変えるように、心も常に変化(成長)するように
 九、巡転  月の巡転するが如く、自心も無窮なり。
   月が常に巡るように、心も常に執着することの無いように
 十、普現  月の普く現ずるが如く、自心も遍く静かなり
   月がどこにでも現れるように、心も常に普遍であるように

『一期大要秘密集』興教大師覚ばん 


 お月見には後の月(旧暦9月13日)というものもあり、本年は10月17日になります。 15夜のお月見を逃してしまった方は是非、後の月を望む際にこの「月の十徳」を思いながらお月見されますと、必ず心に感ずるものを得られることでしょう。

合掌