当山で行われる年間の仏教行事のご紹介です。お正月の新春特別大護摩供から、春の桜まつり、夏の施餓鬼会、秋彼岸、七五三、年末の除夜まで、古より受け継がれてきた歴史と伝統に触れる機会です。
初詣とは、年が明けてから初めてお寺に参拝し、一年の無事と平安を祈る行事です。初参り(はつまいり)ともいわれています。元々は「年蘢り」(としこもり、としごもり)と言い、祈願のために大晦日の夜から元日の朝にかけて氏神の社に蘢る習慣でした。やがて年蘢りは、大晦日の夜の「除夜詣」と元日の朝の「元日詣」の2つに分かれ、この元日詣が今日の初詣の原形となったとされています。毎年元日は、旧年の御守りなどをお炊き上げに奉納する方々、本堂に参拝する方々、新しい御守りをもとめたり、絵馬に願い事を託したり、おみくじを引くなどで参拝者の姿があとを絶ちません。
節分会は地域住民の皆様からもご好評を賜っており、毎年たくさんの人々に参加していただきています。2008年より催事として復活した大般若経転読法要と節分会豆まき式にご参加いただける方々を募集することとなり、本堂で大護摩祈祷とともに「大般若経転読法要」が開催され、舞台へ移動して歳男・歳女の皆様を交えて豆まき式を行います。
密蔵院では、「鬼は外」とはいわず、「福は内」だけを連呼します。それは鬼を外へ追い立てても、外で悪さをしてしまうのだから、福に変えてしまいましょうという慈悲の考えに基づいています。
2007年に皆様方にご奉納いただきました大般若経六百巻を以って、当山大般若法要も45年ぶりに再興することができました。この法要は皆様方の七難即滅・七福即生即ち、災いを転じて福となして諸願成就を祈る、我が国1300有余年の歴史を誇る大法要です。2月3日節分会の折、皆様ご自身が大きな声で経典を読誦していただきながらの法要、大護摩供付き大般若法要として末永くご修行致して行きたいと考えております。転読とは、経本を1巻1巻正面で広げ流し読むことで、それによって清らかな「般若の風」が起きるとされています。この清らかな風にあたることで、昔より七難即滅、七福即生、商売繁盛、如意円満などのご利益があるとされております。
彼岸はサンスクリット語でパーラミーター(波羅蜜多)、到彼岸とも訳し、悟りに到る状態をいいます。浄土思想の中に二河白道(ニカビャクドウ)という考え方が有り、水と火の二河の中間に白い道があり、絶体絶命の者が東側の世界(此岸)から西側の世界(彼岸)に渡る譬(たと)えとして、水の河は貪(どん)欲、火の河は怒り、そして中間の白道は悟り(成仏・往生)を願う心を表すと云われております。そして中道を行く為には、布施・自己反省・忍耐・精進努力・心の安定・真実の智慧の六つ、即ち六波羅蜜行の実践が求められます。安行桜が満開となる春彼岸には、様々な催しが開催されます。音楽演奏会やギャラリーでの展示、写佛教室、境内には茶店もあり、お彼岸の中日にかけて多くの参拝客をお迎え致します。
3月21日は真言宗の宗祖・弘法大師空海のお亡くなりになられました日でございます。当山ではこの日、お大師様の御遺徳を偲び、正御影供(しょうみえく)法要を朝9時より厳修いたします。弘法大師という名は諡号(しごう)といいまして、亡くなられた後に醍醐天皇より下賜された諡り名です(諡り名とは、天皇が高徳のあった僧に、その僧が亡くなった後に、大師のついた名前を賜るもの)。正御影供法要ではお大師様の御影の掛け軸をご本堂右手に掛けてのご供養をいたします。普段はあまり目にすることが出来ない掛け軸ですが、御本堂にお入りいただきどなたさまもご覧いただけます。是非、ご参拝いただき、心静かにお大師様のみ心を感じ、広大無辺なお徳を追慕し、報恩感謝の誠を捧げましょう。
七福神は、インド、中国、そして日本の神様で構成されています。日本には古来より新年に七福神を巡拝し、開運・幸福を祈る習慣があります。江戸時代の川口は、天領として栄えた幕府の拠点として知られています。この地に現世利益を齎す功徳が継承されているのが「武州川口七福神めぐり」です。当山では桜満開の3月下旬に「七福神観桜会」として、マイクロバスで「七福神めぐり」ができるツアーを催行しています。(3年毎に開催予定)
陰暦の3月13日、現在の4月13日に数えで13歳になった男女が虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)にお参りして福徳、知恵を授かる行事で、「知恵もらい」ともいいます。十三参りが行われるようになったのは200年ほど前といわれています。虚空蔵菩薩の御誓願にあやかるため、その御縁日に智福の授与を祈ってお参りするゆかしい行事で、京都や大阪で数百年にわたる伝統を持っています。当山でも、この時期、13歳のお子様を対象に、厄難を払い、智恵を授けていただけるように虚空蔵菩薩に祈願いたします。
春と秋に隔年で開催される「花錦の茶会」には、数百名のお客様が訪れます。季節を感じさせる木々に囲まれた美しい境内に点在する茶室は、薄茶席と濃茶席を合わせて5席、立礼席1席が用意されます。お客様は1日かけてゆったりと各席を楽しまれます。
毎年、7月と8月の13日に、御本堂にて「盂蘭盆会(うらぼんえ)合同法要」を開催しております。各家ご先祖の御霊と有縁無縁の方々の精霊に追善のご供養を懇ろにお勤めいたします。
毎年7月の末に「緑陰子供道場」を開催しています。近隣の小学生を中心に募集し、お申し込み順に参加人数限定で実施しており、1泊2日の研修日程で、お寺の庶務から清掃、写経まで体験できます。又花火大会や肝試しなど楽しいイベントも盛りだくさんで、毎年参加している子供たちもいて、夏休みの楽しみのひとつになっているようです。様々な問題を抱える現代社会の歪みの内、青少年の健全育成の場として広く皆様のご参加をお待ちしております。
お釈迦様の弟子の一人である阿難尊者が、瞑想を行っておりますと目の前に餓鬼が現れて「おまえの命は後3日、そして地獄に落ちることになっている」と告げられました。そして、餓鬼達の供養の方法をお釈迦様から教えていただき、阿難尊者は多くの僧侶を集め、餓鬼の供養を行いましたところ、自己の畏命、又全ての餓鬼が極楽にかわれることが出来たと伝えられています。餓鬼界に落ちた霊の供養を行うことは重要なことで、大切な布施行の一つです。当山では毎年8月24日に施餓鬼会を行っています。これはお盆の時期であり、皆様と共に有縁・無縁のご供養をさせていただいております。
彼岸とはサンスクリット語でパーラミーター(波羅蜜多)、到彼岸とも訳し、悟りに到る状態をいいます。浄土思想の中に二河白道(ニカビャクドウ)という考え方が有り、水と火の二河の中間に白い道があり、絶体絶命の者が東側の世界(此岸)から西側の世界(彼岸)に渡る譬(たと)えとして、水の河は貪(どん)欲、火の河は怒り、そして中間の白道は悟り(成仏・往生)を願う心を表すと云われております。そして中道を行く為には、布施・自己反省・忍耐・精進努力・心の安定・真実の智慧の六つ、即ち六道の六波羅蜜が求められます。秋の穏やかな日ざしのもとで、心の浄化を計り、六つの道の実践に励んでみてはいかがでしょうか。
当山では、七五三のお祝いにご祈祷を受け付けています。お子様のそれまでの成長を感謝するとともに、今後も無事に成長するように祈る七五三は、歳祝いは目出度いから祝うと言うだけでなく、祝うことで幸福な未来を招来するものです。 現在は主に11月15日前後に行われることが多く、男児は3歳・5歳、女児は3歳・7歳に祝うことが一般的です。ご祈祷の後、お札と千歳飴などをお渡しいたします。
当山の除夜の鐘は荘厳な儀式を経て、住職の響鐘から始まり、一般の参拝者の方々にも開放しています。毎年何時間も前から本堂へ続く参道には行列ができます。鐘をついて願い事を唱え、又福引の抽選にも参加できます。地域の企業や檀家様のご協力により豪華な賞品が用意されています。喜びを分ち合い新年を迎える元旦はご家族の絆を一層深め、一年間のご多幸を祈願いたします。